⑧花様年華 考察<Prologue> タイムリープ説
※以下、花様年華Note・漫画 花様年華<SAVE ME>ネタバレ注意
今回はPrologueのMVを見ていきたいと思います。PrologueのMVは10分以上と長く、ストーリー性の濃いMVです。
RUNに繋がるシーンやEuphoriaに繋がるシーンも多いですね。
2019.12 追記:内容編集している部分があります。
目次
Prologueについて
Prologueの序盤は手を血まみれにしたテヒョンが誰かに電話をかけるシーンから始まります。
RUNの日本版MVや、花様年華Noteなどから分かる通り、この電話の相手はナムジュンでした。
テヒョンは兄達の中でも特にナムジュンを慕っていました。
テヒョンの「ヒョン、会いたいです」という言葉の後、シーンは全く変わり森の中でのシーンへと移ります。
I NEED Uとの繋がり
まず真っ先に考えたいのは前作INUとの繋がりです。
序盤のシーン、テヒョンの手は血で染まっており、服装からもINUで父を刺してしまった後のシーンだと考えられます。
ではそれ以降のシーンはどうだろうか。
私は当初序盤シーンから、PrologueはINUの続きで、まだタイムリープの始まっていない純粋な彼らの過去ではないかと考えていました。
INU(現実)→Prologue(現実)→<タイムリープ>→RUN→……
こういった感じですね。
しかしそう考えると何点か噛み合わない点が出てきます。
- ユンギとジョングクが生きている
- テヒョンの過去が変わっている
漫画<SAVE ME>より、ソクジンがタイムリープの力を授かったのは5月22日だと思われます。その日ソクジンは拘置所にいるナムジュンと面会し、ユンギとジョングクが死んだことを知ります。
そしてジョングクが飛び降りたのは4月11日。
ユンギが放火自殺した正確な日付は分かっていませんが、その一ヶ月の間に起こったことは間違いないでしょう。
そしてテヒョンが父殺しとして逮捕されたのは、ソクジンがナムジュンと面会した同日5月22日。
その後のタイムリープ後を見ても、テヒョンが事件を起こしているのは5/20前後と考えられます。
もしこれが純粋な過去であれば、他の5人は再会出来るかもしれませんが、死んでしまったユンギとジョングクと皆が再会出来るわけがないのです。
そして、そもそもテヒョンの本来の結末は「父殺しの被疑者として逮捕されてしまうこと」でした。Prologueでは海から飛び降りて亡くなっているため、彼の結末が変わってしまっています。
以上のことから、序盤のテヒョンの電話シーン以外は、INUの続きPrologueは純粋な彼らの過去(未来)とは考えられないでしょう。
電話は繋がったのか
ではINUの続きと考えられる、序盤のテヒョンが電話をかけるこのシーン。
電話の相手はナムジュンでしたが、それは繋がったのでしょうか。
先ほども少し書きましたが、時系列を考えると既にナムジュンは拘置所にいます。電話には出られなかったことでしょう。
電話は繋がらず、テヒョンは警察に連れられ、拘置所でナムジュンとの面会を終えたソクジンと再会したのです。
テヒョンがナムジュンに電話をかけていることは、漫画でも描かれています。
タイムリープ後、ソクジンにより助けられ拘置所に入らなかったナムジュンが「テヒョンから電話がきたが出られなかった」といったようなことを言っているシーンがあります。
電話は繋がらなかった可能性が高いです。
7人のシーン
では問題である、森で7人で遊ぶシーン以降です。
前述で森の中で遊んでいる7人のシーン以降は、純粋なINUの続きとは考えにくいというお話をしました。
では何故また皆で集まっているかのようなシーンがあるのか。
いくつか考えられますので、ひとつひとつ見ていきましょう。
テヒョンの回想説
まずはじめに、これは事件を起こしてしまったテヒョンが楽しかった学生時代を思い出している回想ではないのか、という説です。
とはいえ、先ほどにも書いた通りテヒョンの過去が変わっているため、考えにくいことがわかります。
そしてまた別の根拠として、Prologueでは最後に皆で海に行くシーンがありますね。
以前の記事でも書きましたが、彼らが揃って海に行った回数は多くありません。
学校をサボって暑い中徒歩でいった初めての海と、再会した後に久しぶりに行った海が最後です。(これはタイムリープ後の話になります)
これがもしテヒョンの回想だとすれば、学生時代初めていった海…となってしまいますが、それは既にINUの後半の海のシーンで描かれています。
そしてそもそも彼らが学生時代に海に行った際は展望台自体がなかったのです。
7人のシーンが過去のものでテヒョンの回想だとは考えられません。
タイムリープ後説
ではタイムリープ後と考えてみるのはどうでしょうか。
ソクジンがタイムリープをしていることは明確ですので、可能性は高いです。
電話のシーンまでが”現実”
それ以降が”タイムリープ後”
では一度、タイムリープ後として展開を見ていきましょう。
時系列
では同じタイムリープ後と考えられる、RUNとの前後関係についてです。
RUNの最中に何度もPrologueと関連したシーンが映るため、RUNはPrologueよりも後ということは分かりますね。
そして、見ておかなくてはならないNoteがあります。
翻訳してくれている方がいますので、その方のURLを貼らせていただきます。
読んでみると分かる通り、このNoteはPrologueのMVで描かれている日のことを書いたものです。
タイムリープを重ね、皆の未来を変えてきたソクジン。
ついに全て終わった。やっと皆で海に来れた。ソクジンはそう思っていました。
しかし終わっていなかった。
このNoteを見る限り、テヒョン以外の皆を救う事は成功していたようです。
テヒョンは事件を起こしたのか
どうしてテヒョンが飛び降りるように至ったのか少しだけ考えてみました。
タイムリープをし、テヒョン以外の皆を救った後だと考えると、7人で集まっていることはおかしい話ではありません。
だからソクジンは海に皆を誘ったのです。
今後詳しく書きますが、EuphoriaのMVで”ようやくテヒョンの事件を止められた”ということが分かります。
Euphoriaは時系列としてかなり先だと考えられるため、Prologueのテヒョンはそれより以前だと思われます。
つまりテヒョンは事件を起こしている可能性が高いです。
以降のタイムリープ後の日記から見るに、テヒョンが父を殺してしまうのは5/20。
海に行くのは5/22でした。
INUとは違い、皆再会しているため7人集まれたとしても不思議ではありません。
ソクジンはテヒョンの事件に気づかず、ソクジンは皆と一緒に海に来たとも考えられます。
しかしテヒョンは結局、展望台から飛び降りてしまった。
父を殺した罪の意識は勿論あったでしょうし、それを皆に打ち明けることもなく、最後の思い出を作るように楽しんでいたのかもしれません。
RUNではソクジンが頻繁にテヒョンを気にしていることが分かります。
RUNはPrologueで失敗したソクジンが、テヒョンも救おうとしてる、と考えられます。
つまり時系列としては、こうなります。
- テヒョンは事件を起こした後
- RUNよりも以前のタイムリープ後
森のシーン
電話のシーンから切り替わると、森の中シーンに移りますね。
テヒョンは一人だけ先に来ており、ソクジンを除いた6人が一緒にやってきて、最後にジンが合流します。
ではテヒョンが事件後と仮定して、この後の先の考察をしていきます。
テヒョンが先に来ている理由は厳密には分かりません。
警察から隠れていたのかも知れませんし、一人で居たかっただけかもしれません。
テヒョンが持っているのは母親の写真です。
テヒョンは母がいなくなってからも、母の事はよく思い出しているようでした。
現に、花様年華Noteでテヒョンが母を探しに行こうとしていた場面がありました。(これはかなり先の話になります)
皆が再び集まっているということから、ソクジンが皆を救ってきたという事がわかります。
4月11日に戻ったソクジンは、まずナムジュンに再会します。
この再会がナムジュンを救うことになります。
このシーンについては、Euphoriaや日本版血汗涙のMVにも描かれています。
”バタフライ効果”という言葉があります。
花様年華のMVにも頻繁に蝶が出てくることから、バタフライ効果も関係していると思っています。
全てソクジンの行動で運命が変わったわけではありません。
ソクジンがナムジュンに再会したことで、ナムジュンがホソクに会いに行き、ホソクがユンギに声をかけ、ユンギがジョングクに電話をかけました。
そうして皆は久しぶりに集まることになります。
ほんの些細な事が、徐々にとんでもない大きな現象の引き金になる。
ソクジンはそうして何度もの失敗を経て、彼らを救っていきました。
ソクジンが一人できた理由については、今の段階では分かりません。
彼は車で来ていたのでそのせいだったとも考えられますし、なんせ何通りも理由が考えられてしまうので、そこまで重要視はしていません。
注目しておきたいシーン
PrologueのMVはEuphoriaのMVとリンクしている箇所や、その後に出てくるシーンもあるので、そこをピックアップしていきたいと思います。
解説についてはその後のMVで書いたほうが分かりやすいと思うので、そういったシーンの説明は次回にさせていただきます。
一緒なら笑うことが出来た
「一緒なら笑うことが出来た」
この言葉は何故ソクジンがタイムリープをしているのか、その理由がわかる言葉でもあります。
彼らは離れ離れになってしまってから、不幸になってしまいました。
それぞれ暗い一面を持っていましたが、皆でいる間は関係ありませんでした。
ソクジンは彼らの悲惨な現実を知って、どうしてこうなってしまったのか嘆きました。
あの時の僕らは、ただ一緒にいるだけで笑えたではないか。
ソクジンはその日々を取り戻すためにタイムリープを繰り返します。
そして、それがようやく”帰ってきた”
蝶
Prologueにも蝶が出てきます。蝶については過去に何度か書きましたので省略します。
グラフィティ
グラフィティは ナムジュンとテヒョンにとって関連深いものです。このシーンでも描かれています。
高い所に登るテヒョン
皆がプールの縁に座っている中、テヒョン一人だけ屋根の上に上がっています。
このシーンどこかに似ていると思いませんか?
後の海の展望台のシーンです。この時点で海に行くことは決まっていないので、展望台を意味していたわけではないかと思いますが、後の展開を連想させるシーンでもあります。
生き残らなければならない
「生き残らなければならない」
ナムジュンのシーンで何かと出てくる言葉です。
彼が大切にしている言葉でもあります。
以前ナムジュンがこうして窓にこの文字を書いたのは、彼が高校を退学した日でした。
彼もまだ全て解決したわけではないのでしょう。
海のシーン
NIRVANAのTシャツ
ナムジュンがこの日来ているTシャツ。
実は似ているTシャツを来ている人がいました。
それがRUNに映るテヒョンです。
何故似たようなTシャツを来ているのか。
私はこれを見た時に思い出したNoteがあったので、和訳をしてくれている方のURLを貼らせていただきます。
”ナムジュンと同じ文字がプリントされたTシャツ”とあります。
RUNでテヒョンが着ていた服も同じ文字でした。個人的には関連していると思います。
この花様年華Noteは22年4月11日なので、日付的にはずれてしまうのですが…
そもそもこの「NIRVANA」とは何なのか、と言うことですが、欲や怒り、妬み嫉みなどの一切の煩悩の火を吹き消した最高の悟りの境地の事を「涅槃(ニルヴァーナ)」というそうで、仏教の究極目的だそう。その境地は一切の苦や、輪廻から外れた安楽の地…。
RUNでも輪廻転生に関連した落書きがありましたが、ナムジュンはその後のWings関連を見ていても、結構こういうのに関連している雰囲気があるんですよね。
そしてこれは仏教の話でしたが、ニルヴァーナのTシャツは普通にあるんですよね。
ニルヴァーナはアメリカのロックバンドで、このTシャツはそのTシャツです。
ただ、ニルヴァーナに関連した衣装は複数回出ているようなので、何か意味があると考えられます。
テヒョンが水中に飛び降り、涅槃に入ることを意味しているのか…
ジョングクとユンギ
このシーン。学生時代の海を思い出します。6月12日です。
ジョングクがユンギを信頼するきっかけになった場所です。
今彼らがこの場所にいられるということは、きっとユンギがジョングクを救い、そしてジョングクがユンギを救ったから。
詳しくはEuphoriaで描かれていますね。
個人的に、とても好きなシーンです。
テヒョン
このMVにおいて最重要になるのがこの場面です。
このシーン、花様年華Noteにしっかりと記載があります。
22年5月22日。
この日記はテヒョンがこの行動を起こしているシーンではなく、思い出しているシーンです。
何故テヒョンが覚えているのか。彼は悪夢で真実を見ているからです。
「皆が俺を見上げた。互いの顔が鮮明に見える距離ではなかったのに、俺は下に向かって笑ってみせた。まるで別れの挨拶をするかのように。そして飛び降りた」
実はこのシーン、飛び降りたことだけは分かっていますが、テヒョンが何故飛び降りたのかは分かっていないのです。
テヒョン自身、夢の中で見て知ってはいるものの自分が何故飛び降りたのかは分かっていないでしょう。
この時のテヒョンは、父を殺してしまった罪の意識から、ジョングクのように衝動的に飛び降りたのかも知れませんし、元々そのつもりだったのかも知れません。
ただ分かることは、このテヒョンの死は”ソクジンが過去を変えたから起こってしまった”ということ。
テヒョンが展望台から飛び降りたところで、MVは終了します。
そしてその後がRUNでの水中のシーンだと考えられます。
この世界自体は画面が止まるあの瞬間にパリンパリンと音を立て、時が戻されたのだと思います。
そのため一時停止したように終わったのではないかと思います。
エンディング
クレジットで流れるこの曲が、映画「インセプション」の曲だそうです。
この方のブログに詳しく書いてくださっています。
私個人の見解としては、花様年華における夢の要素はテヒョンの悪夢だけだと考えているので、Wings以降に繋がる伏線でもあるのかなと思っています。
Wingsは明らかに神話、夢が主体なお話だと思うので…。
Prologueのクレジットで「インセプション」の曲が流れたことに関しては”夢から覚める“という点での演出と取れると思っています。
…というのが以前の私の考察だったのですが、、
※以降は12月の追記になります。
いくつか見返してみたりしているうちに、別の視点でも考えられるかもしれないと思う様になってきました。
このエンディングのインセプション。
そして急に変わる序盤の画面転換。
既にEuphoriaは更新済みですが、次は
もし想像(夢)の世界だったならば
という視点でPrologueの考察を書いてみたいと思います。
次回