花様年華-oklog.

BTSのコンセプト、花様年華に関する考察記事をメインに書いています。個人的な解釈になりますが、参考にしてくださると嬉しいです。2022年現在、少しずつ記事を編集中です。ご了承ください。Twitterは諸事情により閉鎖しております。

LOVE YOURSELF

Introduce my roots.

⑨花様年華 考察<Euphoria>

※以下、花様年華Note・漫画 花様年華<SAVE ME>ネタバレ注意

 

今回はEuphoriaのMVについて考察していきます。

Euphoriaは過去のMVとリンクしている部分や、花様年華NOTEに最も深く関連しているMVです。小説を読んだ人はきっと「こういうことだったのか」とMVを見て納得したのではないのでしょうか。

NOTEや漫画と関連付けてみていきたいと思います。 

 

目次

 

 

 時系列

ではまずEuphoriaの時系列についてです。

ここまで

INU→RUN→Prologue といった時系列でした。

それぞれタイムリープのため、世界線は違いますがソクジンの視点だとこうなります。

 

Prologueの内容から、ソクジンはテヒョンだけを救うことが出来なかったということが分かっています。つまり後少しであったという事です。

Euphoriaはそれらの過去シーンから始まります。

純粋に考えて、Euphoriaはそれ以降の話と考えられます。

そしてソクジンの思い描いていた”全ての過ちを正した世界”だと考えています。

では一つ一つ振り返って行きます。

 

ソクジンの手

Prologueのテヒョン、そして彼の血で真っ赤に染まった手のひらが映った後、百合の花びらを持ったソクジンの手に切り替わります。


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彼が花を床に置き、窓を開けると映し出されるのは炎が上がる部屋。そしてその部屋からユンギを連れ出すジョングクの姿。


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階段で気を失って倒れそうになっているホソク、彼の腕を掴み助けるジミン。


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地面に落ちた紙幣を広い、ナムジュンの前に立つソクジン。


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そしてビルの屋上で手を広げるジョングク。

テヒョンの家で座り込むテヒョンとホソク。割れた瓶と包帯が巻かれたテヒョンの手。


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 時が巻き戻るかのように床に広がった血の跡が消えていくと、ソクジンは窓から手を下ろします。

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ここまでの彼らのシーンは、ソクジンが起こした行動によって変わっていった彼らの過去です。

では具体的にソクジンはどうやってそれぞれを救っていったのか。

 

ソクジンが変えたもの

ナムジュン

前回までの考察で、ソクジンがタイムリープをして彼らを救うために最初にナムジュンと再会をしたと書いていたと思います。

22年4月11日にタイムリープをして、ソクジンはまずナムジュンに再会します。

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彼に起こってしまった不幸というのは、貧困な家庭環境が原因ではありましたが、拘置所に入る原因となったのは客と揉めてしまったからです。

その直接的原因を無くすこと。そのためにソクジンは彼の代わりに紙幣を拾いました。

 

全ては、この二人の再会から始まったのです。

ジョングク

ソクジンがナムジュンと再会したこの日、もうひとつの不幸が起こっていました。

それがジョングクの”飛び降り自殺”です。

わざと不良に喧嘩を売り殴られた後、彼は目に入った工事現場の屋上に向かい、ふとした思いつきでそのまま飛び降りて亡くなってしまいます。

厳密に言えば足を滑らせてしまった転落事故のようなのですが、一般的に見れば飛び降り自殺だと思いますよね。

タイムリープを始めて間もないソクジンは、もちろんその日ジョングクが自殺をすることなど知りませんでした。

 

漫画のSAVE MEでは、ソクジンはナムジュンを見かけた後、車を走らせた先でジョングクの自殺を目の当たりにします。何度戻っても、目の前にジョングクが”落ちてくる”

そこでソクジンはジョングクが4月11日に自殺をしたことに気が付き、それを防ぐために行動を起こしていきます。

漫画ではそのシーンが多く描かれています。

ソクジンはジョングクの行動を止めるため、ナムジュンにも手伝ってもらい、何度も失敗しながらも彼を引き止めることに成功しました。

もとより、ジョングクは自殺するためにビルに登っていたわけでもなかったので、彼にとってはそのつもりもなかったのかも知れませんが…。

 

そうしてジョングクをようやく救えたと思った矢先、ジョングクの電話に連絡が来ます。それがユンギが火事で意識がないという病院からの連絡でした。

駆けつけた病院で彼は亡くなり、ソクジンはまた時を戻ります。

ユンギ

ソクジンは次にユンギを救うために動き出します。

しかし彼は一筋縄ではいきませんでした。これについてはRUNの記事で書いています。

dddona.hatenablog.com
何度も過去を繰り返し、ジョングクがユンギを助けてくれるように行動を起こしたソクジン。

結果、ユンギは放火をしてしまいますが、寸でのところでジョングクによって助け出されます。

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ホソク

ホソクがジミンと再会したのは、彼がナルコレプシーで倒れて入院したからでした。

その時、もう既に過去は変わりつつあり、ホソクは他の皆と再会していました。

入院中のある日、ホソクは病院で見かけた女性が記憶の中にある当時の母と重なって見え、思わず追いかけてしまいます。

非常階段を慌てて降りようとし、足を滑らせたホソクはそのまま階段から落ちそうになり、その時ホソクの手を引き助けたのがジミンでした。

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”何か”が変わりホソクと再会したジミンは、直前に誰かに名前を呼ばれた気がしてその後を追っていました。そして階段の扉を開けた時、ホソクが前を横切ったのです。

そしてホソクはジミンに言いました。

ジミン、ここから出よう

ホソクは感じていました。ジミンは自分と同じように過去の記憶にがんじがらめにされていることを。

ジミン

ジミンの運命を変えたのは、ホソクのその一言でした。

彼が諦めていたことでした。

ホソクが退院してから3日後、彼が「皆と一緒に来た」と深夜に病室にやってきました。ホソクに連れられ、病棟の談話室に入ると皆が待っていました。

親が来ることもなかったジミンは、いつも人で溢れる談話室を普段誰もいない時間帯に訪れていました。


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お菓子を広げ、飲み物を飲み、巡回していた看護師に何をしているのかを聞かれると、ユンギは「誕生日パーティー」と言いました。


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Euphoriaで途中映ること写真達は、その時の写真だと思われます。

ジミンは患者着を着ていますし、ソクジンの写真がないので撮影者はきっとソクジンでしょう。

 

ジミンはまだ心の整理が着いていませんでした。ここにいなければいけない理由はいくつも思い浮かび、出てしまった後の事は何も想像できませんでした。

看護師の疑うような質問を皮切りに、皆で出口に向かって走り出しました。

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1人で何度も出ようとして一歩踏み出すことが出来なかった非常階段の境界線。

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それが近づいてくると途端にジミンの足取りは重くなりました。

「大丈夫だ。パク・ジミン。走れ!」

ジミンは患者着を脱ぎ捨て、ホソクに渡されたTシャツに着替えました。

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そしてついにジミンは扉を開け、境界線を超える事になります。

 

結果的にジミンはこうして救われることになりますが、ソクジンが何かを起こしたわけではありませんでした。

ソクジンとしては「ジミンを病院から連れ出していいのか」「そうした事でジミンが更に辛くなるのではないか」そういった葛藤もあった様です。

しかしジミンは今に満足しているわけではなかった。

だからソクジンもホソクを止めなかった。

こうしてジミンが皆の元へ帰ってくるのです。

テヒョン

ジミンが病院を抜け出し、ホソクと共に生活するようになってから数日。

テヒョンはまた警察の世話になっていました。

そんなテヒョンを迎えに来たホソクは、テヒョンをご飯に誘ったり、明るく話しかけますがテヒョンは依然と元気のないままでした。

テヒョンがどれほど心に傷を追っていたか、ホソクは知っていました。

「兄さん、もう大丈夫ですよ。一人で帰れます」

そう言いバカっぽく笑うテヒョンに、ホソクは何も言えませんでした。

 

大丈夫なはずがなかった。

大丈夫ではないが、それを認めてしまうと、更に耐え難くなるから、目を背けているのだ。

それが癖になっているのだ。

 

テヒョンが一人で家に戻るのを見届けた後、ホソクの元にソクジンから電話がかかってきます。

ソクジンはテヒョンの家が見える場所から、彼らの姿を見ていました。

そしてホソクに「皆で海に旅行に行こうっていってるんだ。テヒョンにも聞いておいてくれないか」と言います。

今すぐに聞いてくれ、というソクジンの言葉に疑問を抱きつつも、ホソクはテヒョンの家に引き返し、開いている扉の中に入りました。

 

気がつくと、テヒョンの目の前には泣いている姉、そして何も言わずに立っているホソクがいました。

父に飛びかかる前の、何者にも変えられない怒りと悲しみは、絶えず残っていました。

この日は、テヒョンが父を刺してしまう事件が起こる日でした。

 

ホソクが部屋に入った時、まさにテヒョンが父に飛びかかる寸前でした。

ホソクはテヒョンを止めに入り、止められたテヒョンは床に酒瓶を叩きつけました。

粉々に割れた瓶は手の中で弾け、テヒョンの手を傷つけました。

Euphoriaでテヒョンが手に包帯を巻いているのはそのためです。

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ソクジンが冒頭で見ていたのはこれらのシーン。

彼が変えてきた皆の過去。救ってきた彼らの過去です。

そう考えると、少し疑問が残ります。

Euphoria序盤のソクジンは、眠りから目が覚めた後のように感じませんか?

手のひらには百合を持っていて、まるでこれからタイムリープをするかのよう

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そんなソクジンが見ているのは”救ったはずの皆の姿”

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では何故またタイムリープをしているのでしょうか。

 

7人のシーン

EuphoriaのMVの構成はPrologueと非常に似ています。

前半は過去のシーン、そして7人で遊ぶシーンに繋がり、最後に海に訪れます。

花様年華Noteから分かることは、海に車で向かったということだけなので、建物で遊んでいるシーンとその後の海が同日かは分かっていません。

 

Prologueでは廃プールに行っていて、Euphoriaでは少し廃れた建物に居るのもどこか似ていますよね。

7人のシーンで少し似ているシーンを集めてみました。

 

一人で来ているテヒョン


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引き起こされる


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皆で踊る


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ホソクとジミン


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ビデオカメラ


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高い所に登るテヒョン


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ユンギとジョングク


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記念写真


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ジョングク


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後ろ姿


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テヒョン


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展望台


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見下ろす2人


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表情


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全体的にEuphoriaの方が色鮮やかで、Prologueの方が淡い色合いになっているのもポイントだと思います。

Euphoriaは強い幸福感という意味もありますので、Euphoriaは全体的に幸せな姿が見て取れます。

そして過去が変わっても、彼らは同じ行動をしています。

 

気になるのは、記念写真のシーンでしょうか。

ジョングクを中心に皆が集まってくるシーンです。

私個人としては”強い幸福感”という意味のEuphoriaを、ジョングクが歌うこと。そしてこのMVがジョングク主体で動いていくことに凄く腑に落ちるというか、納得しています。

これは花様年華Noteの小説を読んでいる方だと納得して頂けると思うのですが、この海の日。

22年5月22日。

ジョングク視点の日記があります。

 

兄さん達に再会し、ジミン兄さんを脱走させて、この海まで来た。

すべてが突然だった。

その間、僕がしたことといえば、兄さん達の後に着いていくだけだったが、怖いくらい胸がいっぱいになった気分だった。

もしかすると、こうして当てもなく走ることが、不安と溢れそうな気持ちの両方を受け止める唯一の方法だったのかも知れない。

学校をサボって海に来た時もそうだった。

 

ジョングクにとって兄達は本当の家族のような存在でした。

この日、ジョングクは本当の意味で救われたのではないかと思います。

 

記念写真のシーンは、皆が順番に合流するため何か意味があるのではないかと言われていました。

ジョングク、ユンギ、ホソクとジミン、ナムジュンとテヒョン、そしてソクジン。

救われた順なのではとも言われていましたが、単純にペアの順のようです。

ソクジンはきっとシャッターを押しているので一番最後なのではないでしょうか。

 

海のシーン

そして海のシーン。テヒョンの表情が気になります。

どうしてこんなに複雑な顔をしているのか。

そしてソクジンは何故展望台に登ったのか。

 

この日、花様年華Noteにテヒョンの日記があります。

以前の考察で少し触れていたかと思いますが、テヒョンは悪夢を見ていましたね。

それはソクジンが始めたタイムリープの影響と考えられます。

テヒョンが見ていた悪夢は、本来なら知っているはずがない彼らの本当の過去。

ユンギとジョングクが死に、ナムジュンが喧嘩に巻き込まれる。

一見INUの惨状を見ているようですが、テヒョンが見ていたのはそれだけではありません。

 

ソクジン兄さんが展望台を登っていた。

頂上まで登った兄さんが俺たちの方に体を向けた。

俺たちを撮ろうとしているようだった。

皆は手を振ったが、俺は振れなかった。

夢の最後の場面と同じだったからだ。

俺ではなく、ソクジン兄さんが登ったことだけが違っていた。

 

テヒョンはPrologueの海のシーンの夢も見ていました。

つまりタイムリープをした後の世界線の事も知っているのです。

ソクジンしか知らなかったはずの、あの日の海での出来事。

しかしテヒョンは知っていました。なのであの表情なのです。

Prologueの時、ソクジンは見下ろすテヒョンを下から撮っていました。

そしてEuphoriaでは展望台の上から彼らを撮りました。

 

何故ソクジンは展望台に登ったのか。

過去が変わったこと、Prologueの悲劇から未来が変わったことを確かめたかったのだと思います。

もしかすると、あの時テヒョンが見た景色を見たかったのかも知れません。

ソクジンのカメラが、あの時テヒョンが海に飛び降りた時のように下に振られるシーンがあります。その後に映るのが、あの時のテヒョン。

しかしもうそんな現実はありません。

 

「ようやく終わった」

 

最後のソクジンの安らかな表情はそういった気持ちが表れているのかもしれませんね。

 

その後

クレジットの後。気になるシーンが映りますね。

「ヒョン、それで全てですか?僕達に隠していること何かあるんじゃないですか?」

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そして“ジョングクが車に轢かれてしまうシーン”

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とっても大事なシーンです。

小説が出版されるまではこの台詞が誰がいったものなのか、とても議論されていました。

無事小説でわかったわけなのですが、これ以降は少し長くなるので次回にしたいと思います。

 

dddona.hatenablog.com