①BTS花様年華 考察<前提>
※この記事は2019年に書いた過去の記事を修正し、2022年に加筆しています。考察内容も変化している場合もありますので、ご了承のほど宜しくお願い致します。
このブログで書いていること
私のブログではBTSの花様年華コンセプトに関する考察記事をメインに書いています。
独自の考察というより、漫画や本に記載されていることを時系列順に整理し、こういった意味だったのではないか?という考察記事を書いています。
最近BTSを知り、もしくは花様年華って知っていたけど手を出していなかった方などが、花様年華って何?となった際などに見てくださる場合が多いのかと思うのですが、私の考察記事はかなりややこしい部類に入るかもしれません。。
この時期を書いた当初2019年の時には、初めて見た方向けに〜などと謳っていたんですが、よくよく読み返してみると全然初心者向けじゃなかった気がします。ごめんなさい。
編集データがおじゃんになり更新が途絶えているYouTube動画のスクショなども併せて、今回こそはわかりやすく書いていけたらと思います。
私自身、花様年華に関する素敵な考察や日本語訳をたくさん拝見させていただきました。
花様年華はまだ完成していないコンテンツなので、現時点で正解はありませんし、いずれは答え合わせが来るかと思いますが、今花様年華について知りたい方に向けて、一つの参考になれば幸いです。
そして以降完全にネタバレです。
[注意]
・「花様年華 THE NOTES 1」「花様年華THE NOTES 2」
・LINE漫画で公開されている「花様年華Pt.0<SAVE ME>」
・現時点までに公開されている「花様年華 THE NOTE」
以上を参考にしており、盛大にネタバレしていますので未読の方はご注意ください。
目次
花様年華はなぜ人気なの?
花様年華シリーズとは、防弾少年団(BTS)が2015年に発売したミニアルバム「花様年華Pt.1」から始まり「花様年華Pt.2」「花様年華 Young Forever」まで続く青春三部作と言われるアルバムのコンセプトです。
BTSは他にも、学校三部作(2 COOL 4 SKOO、Skool Luv Affair、DARK&WILD)や、WINGS、LOVE YOURSELFなどのコンセプトが過去にありました。
アルバムリリースごとに違ったコンセプトで楽しませてくれるBTSですが、花様年華はその中でも一段とストーリー性が高く、その内容は映像化、小説化されています。
リアリティが高いので勘違いされる方もいるかもしれませんが、花様年華のストーリーはあくまでフィクションであり、本人たちの生い立ちや家族構成などは実話ではなく、全く異なっているのでご安心くださいね。笑
では、その花様年華が人気の理由は何でしょうか?
花様年華という言葉の意味は、人生で最も美しい瞬間です。
その名の通り、花様年華のストーリーは彼らの学生時代、青春を描いています。
どういった場面で描かれているのか?それがまさにファンが必ず見るMVなのです。
そしてそれが1つではなく、複数のMVでストーリーが繋がっていることが特徴です。
ARMYが考察に沸き立つ理由はここにあります。
ドラマ仕立てのMVはかなり意味深です。
なにこれ、どういうこと?え、もしかして繋がってる?
となった後に、小説を読んだ時の衝撃。
内容の魅力に関しては今後の考察で伝えられたらと思いますが、花様年華は2022年の段階でかなり話は進んでいるのですが、まだ未完であり終わるのか続くのか、ARMYは物語の続編を、結末を楽しみにしているわけなのです。
今までMVでストーリーが伝えられてきたこともあり、新曲のMVが出るたびに花様年華っぽさを感じると考察をせざるを得ない層が一定層います。(自己紹介)
私が考察に使用しているのは、アルバムにいつも同梱されている「花様年華NOTE」
これは日記のような形で書かれていて、このNOTEによって花様年華のストーリーは小出しにされています。
そしてそれがまとまり一冊の本となったものが、昨年発売された「花様年華THE NOTE 1」
そしてLINE漫画で公開されている公式漫画「花様年華Pt.0 <SAVE ME>」
これらの内容をまとめ、時系列で整理したものが私の考察となります。
ではまずストーリーを考えるに当たって知っておかなければならない大前提をお話しします
これを知っているだけでMVがとても見やすくなります
上記に書いた通り、公開されているMV全てにストーリーがあり、それらは繋がっていると考えていいでしょう。
伏線があるため色々な考察をされています。それを紐解いて行きたいと思います。
前提
MV
まず花様年華に関連するMVは以下のMVになります。
I NEED U
RUN
Prologue
BTS (방탄소년단) 화양연화 on stage : prologue
BTS (방탄소년단) 'Euphoria : Theme of LOVE YOURSELF 起 Wonder'
Highlight Reel
BTS (방탄소년단) LOVE YOURSELF Highlight Reel '起承轉結'
基本的にはこの5つと考えていいかと思います。
もう一つ「Young Forever」のMVもあるので、それも最後に補足として書きたいと思います。
MVは全て繋がっているとお話致しましたが、一体どのように繋がっているのか。
花様年華の考察を考えるに当たって、時系列と順番がとても大事になります。
しかし、これがとても難しいです。 今一概にこれであると決定づけることは難しいため、一つ一つMVと花様年華Noteを振り返っていきたいと思います。
ではまず、今後の考察にあたって大前提として知っておかなければならないことがありますので、先にその説明をしていきます。
花様年華におけるペア
まず、花様年華には主なペアがあります。
いくつかMVを見ていると二人でのシーンが多いと感じるかと思うのですが、花様年華のシリーズではペアがあり、それぞれ
・ジョングクとユンギ
・ナムジュンとテヒョン
・ジミンとホソク
です。RUNがわかりやすいですね。
一方、INUのようにソクジンは一人のシーンが多いです。
では何故ソクジンは一人のシーンが多いのか?
それがもう一つの前提になります。そして物語を語る上で最も大事なことです。
ソクジンについて
ソクジンだけ一人のシーンが多いのは、INUのMVが分かりやすいかと思います。INUでは6人それぞれの悲しいシーンがある中、ソクジンだけは少し様子が違います。
ソクジンは一人、部屋で百合の花を手向け、涙をしています。
彼らの不幸を知っているからです。
ではそれは何故か。
ソクジンはタイムリープをしています。
花様年華Noteや漫画から、ソクジンがタイムリープをしていることは確定しています。
MVの中でも描かれているシーンもあります。
例えば、Highlight ReelのMV中に2度訪れる8月30日。
倒れていた花瓶をまるで倒れることを知っていたかのように受け止めるシーンが印象的ですね。
またナレーションでも気になる台詞がありますね。
「時間を戻すことが出来るなら 僕たちはどこに戻るだろうか。
その場所にたどり着いたら 全ての間違いと過ちを正し 幸せになることができるのか。」
過去をやり直す能力をソクジンは持っていました。
何故持っていたのか、何故過去をやり直そうと思ったのか、全て明かされているわけではありません。
分かっていることは、ソクジンは皆を不幸から救う為にタイムリープをしていること。
そしてこれが非常に重要となります。
今後ソクジンはタイムリープをしている前提で考察をしていきたいと思います。
それぞれの過去
続いて、大切となってくるのがそれぞれの過去です。
花様年華ではそれぞれの悲しい過去や、辛い経験がダイレクトに描写されています。
皆が皆、違った苦悩を抱えています。
INUのMVではそれぞれの抱える問題が描かれており、ショッキングなシーンもありますね。MVの中で分かりやすく描かれていますが、それだけでは足りない部分もありますので、花様年華Noteの内容も含めて記述していきたいと思います。
ナムジュンの過去
ナムジュンは父母弟の4人家族でした。父が病で働くことが出来無かったこともあり、ナムジュンの家庭はとても貧困でした。
母だけの稼ぎでは食べていくことができず、ナムジュンは中学生の頃から内緒で働きに出ていました。
ナムジュンが高校生になる頃には母が仕事をやめ、とうとう父の薬代や家の水道代を払うことが出来なくなり、一家は家をでなくてはいけなくなります。
ナムジュンは皆に別れも告げず、高校を辞め家族で田舎に引っ越します。
中卒だったナムジュンの働き場所は少なかったですが、一家を養う為に同じような境遇の子達が働く宅配(バイクでの出前)のアルバイトをしていました。金を稼いでは父を病院に連れていき、生きていくために必死でした。
季節が過ぎ、冬。危険な雪道の宅配帰り。タイヤが滑り、ナムジュンのバイクは転倒してしまいました。幸い大怪我にはならず、バイクも無事でした。
その後の配達も自分が行くつもりでしたが、店に戻ると父が怪我をしたと電話が入り、病院に連れていかなくてはいけなくなりました。
冬の宅配は危険な為、夏に比べてやりたがる子がいません。冬の宅配は本当に貧しい家庭の人間しかしない為、いつもナムジュンともう1人の男しかいませんでした。
ナムジュンはいつもどちらが配達に行くか競っていたその男に、店のバイクの鍵を渡します。
電話が入る直前、男はナムジュンに「頼みがある」と切り出しました。しかしその直後に電話が鳴ったため、ナムジュンは男の話を聞くことはありませんでした。
病院からの帰り、ナムジュンは男がバイクで転倒し死亡したことを知ります。
男の運転の不手際という事になっていましたが、ナムジュンは街の人の会話で気づいてしまいます。
男が転倒したのは直前に自分がバイクで転倒した場所でした。
雪が溶けるように自分が巻いた塩化カルシウムと、転倒して撒き散らしたままにしてしまった落ち葉。
雪道の運転で本当に危険なのは”雪”ではなく、その2つだと言うことを。
もし、自分が彼の頼みを聞いていれば何か変わっただろうか。もし、次の配達も自分が行っていれば死んでいたのは自分だったのだろうか。
事故の後、ナムジュンの罪悪感と安堵は行き場をなくしていました。自分は一体どうすればよかったのか。
そうしてこれから、どうして行けばいいというのか。
そんな時、ナムジュンはふと父の言葉を思い出しました。
病院の帰り、父がナムジュンに言いました。
「ナムジュン、行け。お前だけでも生きるんだ」
家族を捨てられなかったナムジュンは、父の言葉にずっと聞こえない振りをしていました。
その言葉を思い出したナムジュンは、バスに乗り込み、一人皆で過ごした街に帰ります。
その後のナムジュンはガソリンスタンドでアルバイトをしながら、線路にあるコンテナの中で住んでいます。
INUに出てきた皆が登っていたコンテナや、RUNの最初にナムジュンが出てきたところですね。この場所はやがて皆のアジトとなります。
テヒョンの過去
テヒョンの父はアルコールに依存しており、酔っては家庭内暴力を繰り返していました。幼少期から父の暴力を受けていた母、姉、テヒョンでしたが、それに耐えかねた母はテヒョンが7歳の時、子供を置いて家を出ていってしまいました。
テヒョンは母の後ろを着いて追いかけましたが、母が振り向くことはありませんでした。途中、母が立ち止まり、テヒョンはこのまま歩けば母に追いつくことも出来ましたが、幼いテヒョンは何を思ったかある、そこで母に背を向け、父の居る家に向けて来た道を戻り始めました。
高校生になってからも父の暴力は続き、テヒョンは喧嘩をしたり、グラフィティをして警察に世話になったりすることが増えていきます。
母に捨てられ、父からも愛されず暴力を受けるテヒョン、それが彼の過去であり、今でした。
ホソクの過去
8歳の頃母に遊園地に連れて行かれたホソクは、母に言われた通り目を瞑り10まで数を数えていました。
目を開けるとそこに居たはずの母は居なくなり、その後二度と戻ってくることはありませんでした。ホソクはそれ以降養護施設で育ちました。
ホソクは母の思い出がトラウマになっています。またその一方で、母の面影を探しており、将来母と幸せに暮らしたいという願いもあります。
INUでは薬を服用しているホソクが道端で倒れているシーンがあります。
ホソクはナルコレプシー(居眠り病)を患っているため、道端でよく倒れては病院に運ばれていました。
INUでは薬を飲むシーンが印象的ですね。
しかしこれには裏がありました。それについては今後お話していきます。
ジミンの過去
ジミンは幼少期両親が来られなかった草花樹木園の遠足の帰り、一人で帰ろうとした所雨に降られ迷子になります。辿り着いた先の草花樹木園裏門の倉庫での記憶がジミンのトラウマです。
そこでジミンが何を見たのか詳しいことは分かりませんが、ジミンは泥だらけになりながら倉庫から逃げるように走り出します。
この経験から、ジミンは草花樹木園の看板を見たり、草花樹木園行きのバスを見ると、自分が泥だらけになっているように感じ、発作を起こしてしまいます。
元々身体の弱かったジミンは入院と転校を繰り返していました。転校続きで友人を作ることすら諦めていたジミンが見つけた居場所が、7人で過ごしたアジトでした。
ジミンのトラウマが分かりやすいシーンは、Highlight Reelのダンスシーンでしょうか。
女性とぶつかったジミンはパニックになり、洗面で腕を血が出るほど洗います。全身が泥だらけになっているかのように感じたからです。
ジミンは過去の記憶に捕らわれています。
ユンギの過去
ユンギは中学生の頃に実家が火事になり、母親を亡くしています。
母はピアノをしており、ユンギ自身もピアノを弾き、音楽を作ったりしています。高校生の頃からユンギは作曲をしたり、ピアノを弾くシーンが多く、音楽は彼にとって大事なものだと分かります。
しかしユンギにとってピアノと母はいい思い出だけではないように思えます。
母が無くなってからは父親と暮らしていますが、父親とは馬が合わず反抗してばかりで家庭環境もいいとも言えません。
ユンギは自分にとって大切な人を作ることを強く拒んでいました。自分を慕う弟を突き放したり、連絡を返さなかったりするのはそれが理由です。
自分のことを特別に思われることを拒み、また自分もそう思うことを嫌がりました。
彼もまた、母とピアノと音楽に捕らわれています。
ジョングクの過去
ジョングクは幼い頃、母と共に父親に捨てられました。ジョングクの父は生きるのがとても辛く、耐えられないと言っていました。
そして「空っぽの自分がジョングクにしてやれることはなにもない」そう言い残し、母と自分を残し家を出ていきました。
父の耐えて生き抜く理由に、自分は値しなかったこと。幼いジョングクはそれに気がついていました。
父がいなくなってからジョングクの母は再婚し、義父と義兄が出来ました。
しかしジョングクなどまるでいないかのように振る舞われる日々に、彼は次第に逃げるように家に帰らなくなります。
学校が終わっても外をふらついたりしていました。
そんなジョングクにとって6人の兄は、本当の兄のようでした。
ジョングクは本当の家族のように6人のことを思っていました。
ソクジンの過去
ソクジンはタイムリープの当事者な為、ソクジンの過去はMVではほぼ描かれていません。
そのため以下の内容は花様年華Noteに描かれていたことになります。
彼は幼少期から父親の事を恐れていました。
父に逆らうことは出来ませんでした。父親の言う通り「いい子」にならなければ。
父親の言う通りに生きなければ、という思いが一際強い印象です。
ソクジンの“いい人になりたい”という思いは、この事が原因だと考えられます。
母親が亡くなってからすぐ、父親はソクジンを母方の祖母が住むアメリカへと転校させました。
父は結局見送りにすら来ませんでした。
数年後アメリカから韓国の学校へ転校する為帰国したソクジンに対しても、嫌な顔をひとつしただけでした。
ソクジンは高校3年生の歳でしたが、学校の制度の違いで、1つ下の高校2年生で入学します。
父親と校長に挨拶をしに行き、校長が言った「ソクジンくんはいい子にならないと」という台詞に、ソクジンは何も言えませんでした。
そんなソクジンに対し父親は強く圧力をかけ、彼は震えた声で微かに「はい」と答えました。
ソクジンにとって「いい人になる」と言うのは、父から与えられた呪縛のようなものなのかも知れません。
ソクジンの過去を語る上で重要なお話があります。
それが高校時代のお話です。
これは物語を理解する上で大切なお話ですので、また次回詳しく書きたいと思います。
*1:オリジナルのMVが年齢制限がかかってしまった為、現在公式のMVではカットされているシーンがあります。記事ではオリジナルMVを元に見ています。